「適応障害と診断されたので、しばらく休職します」
以前一緒に働いていた後輩から、その連絡を受けた時、私は胸が締め付けられるような気持ちになりました。
その後輩は、決して仕事をサボるような人ではありません。
責任感が強く、任された仕事には真面目に取り組むタイプでした。
ただ、その真面目さゆえに仕事を抱え込みやすく、困っていても周りに助けを求めることが苦手だったように思います。
気が付けば仕事量が集中し、心も体も限界を迎えてしまったのではないかと。
私は以前その会社を退職していますが、「もし自分がまだあの職場にいたら、何か力になれたのではないか」と考えてしまったこともあります。
もちろん、それは結果論です。
本当に変わるべきなのは、一人の社員ではなく、人を追い込むような働かせ方を続ける会社のほうでしょう。
この記事を読んでいるあなたも、
- ブラック企業が原因で適応障害と診断された
- 休職を勧められたけれど、このままでいいのか分からない
- 復職するべきか、それとも退職するべきか悩んでいる
そんな状況かもしれません。
この記事では、私自身がブラック企業で働いてきた経験と、実際に適応障害で休職することになった後輩の出来事を通して、
「休職」と「退職」をどう考えれば後悔しないのか
についてお伝えします。
結論から言えば、まずは休職して心と体を回復させることが最優先です。
そして、もし原因が会社そのものにあるなら、退職という選択肢も冷静に検討することをおすすめします。
ブラック企業が原因で適応障害になる人は少なくない
「自分が弱いから、適応障害になってしまったのではないか。」
そう自分を責めてしまう人は少なくありません。
でも、私はそうは思いません。
もちろん、適応障害になる原因は人それぞれです。
家庭環境や人間関係など、仕事以外が原因になることもあります。
しかし、長時間労働や過度なプレッシャー、人間関係のストレスが続くブラック企業では、心が限界を迎えてしまう人が少なくないのも事実です。
真面目な人ほど「もう少し頑張ろう」と無理を重ね、気付いた時には心が悲鳴を上げていることがあります。
だからこそ、まず知っておいてほしいことがあります。
適応障害は「気持ちの問題」ではなく、誰にでも起こり得る心の不調だということです。

適応障害とは?環境のストレスによって心と体に不調が現れる状態
適応障害とは、強いストレスが原因となり、心や体にさまざまな症状が現れる精神疾患です。
例えば、
- 朝になると会社へ行けなくなる
- 涙が止まらない
- 動悸や吐き気がする
- 夜眠れない
- 食欲がなくなる
- 何もやる気が起きない
といった症状が現れることがあります。
そして大きな特徴は、原因となっている環境から離れると症状が改善しやすいことです。
もし仕事が原因で適応障害になっているのであれば、「会社から離れる」という選択が回復への第一歩になることもあります。
「まだ頑張れるかもしれない。」
そう思って無理を続けるよりも、自分の心が発しているSOSに耳を傾けることが大切です。
ブラック企業では「頑張る人」ほど追い込まれやすい
ブラック企業では、仕事ができる人や責任感の強い人へ仕事が集中しやすい傾向があります。
「この人なら任せても大丈夫。」
「頼めば断らない。」
そんな期待が積み重なることで、少しずつ負担が増えていきます。
最初は「期待されている」と感じていても、それが続けば心も体も疲弊してしまいます。
一方で、会社側は仕事が回っている限り、人を増やしたり業務を見直したりしないことも少なくありません。
結果として、一部の社員だけが限界まで頑張り続ける構造が出来上がってしまうのです。
真面目な人ほど、一人で抱え込んでしまう
私はこれまでブラック企業で働き、多くの人を見てきました。
そして感じるのは、心を壊してしまう人ほど、決して怠け者ではないということです。
むしろ逆です。
責任感が強く、
「迷惑をかけたくない」
「自分が頑張れば何とかなる」
そう考える人ほど、一人で仕事を抱え込んでしまいます。
助けを求めることが苦手で、多少無理をしてでも期待に応えようとする。
だから周りも、
「大丈夫そう」
と思ってしまいます。
でも、本当は大丈夫ではありません。
心は少しずつ限界へ近付いているのです。
私の後輩も、まさにそんなタイプでした。
仕事には誰よりも真面目で、責任感も強い。
だからこそ、一人で抱え込み、気付いた時には適応障害と診断され、休職することになりました。
その話を聞いた時、私は決して「弱い人だった」とは思いませんでした。
「頑張り過ぎてしまった人だった。」
ただ、それだけです。

適応障害と診断されたら最初にやること
適応障害と診断されると、頭の中が真っ白になってしまう人も多いでしょう。
「会社へ何て言えばいいんだろう」
「もう退職した方がいいのかな」
「これから生活はどうなるんだろう」
私も後輩から連絡をもらった時、まず思ったのは「これからどうするんだろう」ということでした。
でも、そんな時だからこそ、焦って大きな決断をする必要はありません。
まずは、一つずつ落ち着いて行動していきましょう。
医師の診断書をもらい、無理を続けない
適応障害と診断されたら、まずは医師の指示に従うことが最優先です。
必要に応じて診断書を書いてもらい、会社へ提出しましょう。
「まだ働けるかもしれない」
そう思ってしまう人ほど無理を続けがちですが、心の病気は無理を重ねるほど回復に時間がかかることがあります。
体調が悪い時に休むことが当たり前なのと同じように、心が限界を迎えている時も休むことは決して悪いことではありません。
まずは休職という選択肢を受け入れる
適応障害と診断されたからといって、その場で退職を決める必要はありません。
むしろ、心が疲れ切っている状態では、冷静な判断が難しくなっています。
だからこそ、まずは休職して心と体を回復させる時間を作ってください。
仕事から少し距離を置くだけでも、考え方が大きく変わることがあります。
退職するかどうかは、その後に考えても遅くありません。
家族や信頼できる人へ相談する
真面目な人ほど、
「迷惑をかけたくない」
という気持ちから、一人で抱え込んでしまいます。
でも、そんな時こそ誰かに話してください。
家族でも、友人でも、信頼できる先輩でも構いません。
言葉にしてみるだけで、心が少し軽くなることもあります。
私自身もブラック企業で苦しかった時、一人で抱え込み過ぎていたと感じています。
今思えば、もっと早く周りを頼ればよかったと思うことがあります。
身近に相談できる人がいない場合は、オンラインカウンセリングという選択肢もあります。
国家資格をもつカウンセラーが、あなたの心に寄り添ってくれます。
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会社への連絡は必要最低限でいい
休職する場合、会社への連絡は必要になります。
ただ、無理に詳しい事情まで説明する必要はありません。
診断書を提出し、医師の指示で休職することを伝えれば十分です。
もし上司から強く引き止められたり、プレッシャーをかけられたりするようであれば、一人で対応しようとしないでください。
家族や信頼できる人へ相談しながら進めましょう。
心が疲れている時に、一人ですべてを抱え込む必要はありません。
私の元職場でも、後輩が適応障害で休職しました
適応障害という言葉を聞くと、「特別な人がなるもの」と思う人もいるかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
なぜなら、実際に私の元職場でも、後輩が適応障害と診断され、休職することになったからです。
もちろん、詳しい事情は本人しか分かりません。
それでも、一緒に働いていた頃を思い返すと、「限界まで頑張り過ぎてしまったのではないか」と感じる部分がありました。

真面目な人ほど、一人で抱え込んでしまう
その後輩は、とても真面目な人でした。
頼まれた仕事は最後までやり遂げようとしますし、途中で投げ出すこともありません。
だからこそ、仕事を任される機会も自然と増えていきました。
一方で、自分から「手伝ってください」「今は手一杯で無理です」と言えるタイプではありませんでした。
積極的に周りへ相談したり、助けを求めたりすることも少なかったように思います。
すると、抱え込む仕事がどんどん増えます。
本人は「頑張れば何とかなる」「ここが頑張りどころだ」と思っていたのかもしれません。
でも、その積み重ねが心を少しずつ削っていたのではないでしょうか。
私はその話を聞いた時、
「真面目だから評価される会社」
ではなく、
「真面目だからこそ、負担が集まってしまう会社だったのかもしれない」
と感じました。
周りから見ると「まだ大丈夫そう」に見えてしまう
適応障害になった人の話を聞くと、
「そんなに辛そうには見えなかった」
「昨日までは普通だったのに」
という言葉がよく出てきます。
実際、私の後輩もそうでした。
仕事中に笑顔を見せることもありましたし、与えられた仕事はきちんとこなしていました。
だから、「もう限界なんだ」と気付いていた人は少なかったと思います。
でも、人は本当に苦しくなると、それを隠してしまうことがあります。
特に責任感が強い人ほど、
「迷惑をかけたくない」
「自分が頑張れば何とかなる」
と思ってしまい、周りに弱音を吐けません。
その結果、ある日突然、心が限界を迎えてしまうのです。
もし今この記事を読んでいるあなたが、
「まだ自分は大丈夫」
と思っているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
- 会社へ行くことを考えるだけで涙が出る
- 休日も仕事のことばかり考えてしまう
- 夜眠れない、食欲がない
- 何をしても楽しいと思えない
そんな状態が続いているなら、それは「まだ頑張れる」のではなく、「もう十分頑張ってきた」のかもしれません。
僕も実際、このような状態にまでなりました。適応障害の診断はもらいませんでしたが、ほぼ同じような症状だったんだと思います。当時のことについては、こちらの記事で詳しく書いています。
▶ 【実体験】ブラック企業で壊れかけた僕の体と心|退職して初めて気づいた異常な日常
ブラック企業が原因なら、休職中に「退職」も選択肢に入れてほしい
私は、「適応障害になったら必ず退職するべき」とは思っていません。
職場環境が改善される可能性がある会社もありますし、部署異動や業務内容の変更によって、安心して働けるようになるケースもあるでしょう。
ただし、原因がブラック企業そのものにある場合は話が変わります。
もし会社の体質が変わらないのであれば、休職して一時的に回復しても、復職後に同じ状況へ戻る可能性があります。
それでは、根本的な解決にはなりません。
会社が変わらなければ、また同じことが起こる
ブラック企業には共通する特徴があります。
- 常に人手不足
- 一部の真面目な社員へ仕事が集中する
- 長時間労働が当たり前
- 上司へ相談しにくい雰囲気
- 「みんな頑張っているんだから」と精神論で片付けられる
もし適応障害になった原因が、このような環境にあるなら、復職しても状況が大きく変わるとは考えにくいでしょう。
私が働いていた会社もそうでした。
人が辞めても新しい人はなかなか入らず、その分残った社員へ仕事が増えていきます。
そして、仕事ができる人ほどさらに仕事を任される。
その繰り返しでした。
今回、後輩が適応障害になったと聞いた時、私は驚くというより、
「やっぱり変わっていなかったんだ」
という気持ちのほうが強かったのを覚えています。
私が辞めたあとも、会社の体質は大きく変わっていなかったのでしょう。
「治ってから戻る」ではなく「戻ったらまた悪化する」こともある
休職は、心と体を回復させるために必要な時間です。
しかし、回復したからといって、原因となった環境まで改善されるわけではありません。
たとえるなら、ケガを治して同じ危険な場所へ戻るようなものです。
もちろん、すべての会社がそうではありません。
でも、
- 上司が変わらない
- 業務量も変わらない
- 人手不足も解消されない
そんな状況であれば、再び同じ苦しみを味わう可能性があります。
だからこそ、休職中は「復職するかどうか」だけではなく、
「この会社で働き続けることが、本当に自分の幸せにつながるのか」
という視点でも考えてみてほしいのです。

休職中だからこそ、自分のこれからを考える時間にしてほしい
休職すると、最初は「早く復帰しなければ」と焦ってしまう人もいます。
でも、焦る必要はありません。
むしろ、せっかく立ち止まる時間ができたのですから、その時間を未来のために使ってください。
例えば、
- 本当に今の仕事を続けたいのか
- 他に興味のある仕事はないか
- 自分に合う働き方は何か
- どんな会社なら安心して働けそうか
こうしたことを考えるだけでも十分です。
いきなり転職活動を始める必要はありません。
求人サイトを少し眺めてみるだけでも、
「世の中にはこんな会社もあるんだ」
という発見があります。
ブラック企業で働いていると、それが普通だと思い込んでしまいます。
でも、世の中には定時で帰れる会社もあれば、有給休暇を気兼ねなく取得できる会社もあります。
私自身、転職活動を始めて初めて、
「こんな働き方もあるんだ」
と知りました。
それだけでも、自分の世界は少し広がります。
転職エージェントに相談するのも一つの方法です。ウェブや紙面に載っていない求人を知っていることもあります。
▶ 【転職で失敗したくない人へ】サクキャリマッチとは?エージェントを無料比較できるマッチングサービス
退職は「逃げ」ではなく、自分を守るための選択肢
「せっかく採用してもらった会社なのに」
「途中で辞めたら負けだ」
そう考えてしまう気持ちも分かります。
私も以前はそうでした。
でも今振り返ると、会社へ恩義を感じるあまり、自分自身を大切にできていなかったように思います。
上司に大きな恩義を感じたために退職に迷った話はこちら
▶ 恩だけでは生きていけない|お世話になった上司の会社を辞めた僕の体験談
会社は、あなたの人生のすべてではありません。
あなたが心を壊してまで守るべきものでもありません。
もちろん、すぐに退職を決断する必要はありません。
ただ、「辞める」という選択肢を持っているだけで、人は少し心が軽くなります。
そして、選択肢が増えるほど、人生は前向きに考えられるようになります。
私自身も「もっと早く辞めればよかった」と思っています
私は、適応障害と診断されたわけではありません。
それでもブラック企業で働いていた頃は、毎日のように仕事のことを考え、休日になっても心が休まることはありませんでした。
「辞めたい」
そう思いながらも、
「もう少し頑張れば状況が変わるかもしれない。」
「ここで辞めたら逃げになる。」
そんな気持ちで働き続けていました。
でも、今だからはっきり言えます。

もっと早く辞めてもよかった。
そう思っています。
会社を辞めたことで、生活がすぐに楽になったわけではありません。
転職活動への不安もありましたし、お金の心配もありました。
それでも、あのまま働き続けていたら、心や体を壊していたかもしれません。
そう考えると、辞めた判断は間違っていなかったと思っています。
僕は実際に、退職後お金で苦労しました。退職前にある程度貯金をしておくことは大事です。
こちらの記事で詳しく書いています。
▶ 貯金ゼロで退職した結果、借金地獄になった話|辞める前に生活資金を確保すべき理由
だからこそ、今回後輩が適応障害になったと聞いた時は、とても複雑な気持ちになりました。
「もっと周りが気付けなかったのかな。」
「自分がまだ会社にいたら、何かできたのかな。」
そんなことも考えました。
でも冷静に考えれば、問題は一人の社員ではありません。
社員が限界まで頑張らなければ仕事が回らない会社の仕組みそのものです。
だから、自分を責めるのはやめました。
そして、この記事を読んでいるあなたも、自分を責めないでください。
あなたが弱いから苦しくなったのではありません。
今の環境が、あなたに合っていない可能性があるだけです。
まとめ|まずは自分を守ることを最優先にしてください
適応障害と診断されると、
「休職するべき?」
「退職するべき?」
と答えを急いでしまいがちです。
でも、一番大切なのは、
「まず回復すること」
です。
焦って人生を決める必要はありません。
心と体が疲れ切った状態では、正しい判断は難しいものです。
だからこそ、まずは休職という選択肢を受け入れてください。
そして、少し落ち着いてから、
「この会社で働き続けたいのか。」
「この環境は自分に合っているのか。」
を考えてみましょう。
もし原因がブラック企業そのものにあるのであれば、退職は決して逃げではありません。
自分の人生を守るための、大切な選択肢の一つです。
会社は代わりを見つけられます。
でも、あなたの心と体は一つしかありません。
どうか、自分を一番大切にしてください。
心のダメージで、職場に行くことも不可能な場合は退職代行サービスを使ってみては?
職場への退職連絡だけではなく、次の就職もサポートしてくれるサービスも多いです。
▶ 退職代行おすすめ6社を徹底比較|ブラック企業から安全に逃げるための戦略ガイド
心と体が少し回復してきたら、次の職場も少しずつ探してみませんか?
休職中は無理に転職活動を進める必要はありません。
ただ、「世の中にはどんな会社があるのか」を知るだけでも、気持ちは少し楽になります。
転職エージェントなら、求人紹介だけでなく、
- 今すぐ転職するべきか
- 今は休んだ方がいいのか
- ブラック企業を避けるにはどうすればいいか
といった相談にも乗ってもらえます。
私もブラック企業を辞めたあと、「もっと早く相談していればよかった」と感じました。
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